「産後の肥立ちが悪い…」そんな言葉を耳にしたことはありませんか?産後の養生を怠ると、後々まで身体の不調に悩まされる可能性があります。特に産後約1ヶ月間は、身体が大きく変化し、回復していく大切な時期。この時期を「産褥期」と呼びます。
産褥期は、ただ家の中で安静にしていれば良いわけではありません。出産によってダメージを受けた子宮や骨盤、骨盤底筋群などをしっかりと回復させるためには、適切な過ごし方と養生が欠かせません。
この記事では、産褥期における身体の変化、養生の重要性、具体的な過ごし方、そして家事や育児との両立について詳しく解説していきます。産後ママだけでなく、これから出産を迎えるプレママ、そして産後ママをサポートするご家族様ぜひ参考にしてください。
なぜ産褥期の養生が重要なのか?
出産は、女性にとって大きな喜びであると同時に、身体への大きな負担でもあります。赤ちゃんを産み出すために、子宮は大きく膨らみ、骨盤は開き、骨盤底筋群は引き伸ばされます。
産褥期には、これらの組織が元の状態に戻ろうとしますが、無理をしたり、十分な休息を取らなかったりすると、回復が遅れたり、後遺症が残ったりする可能性があります。
産褥期に起こりやすいトラブルとしては、
悪露の続く期間が長引く
子宮の回復が遅れる
尿漏れや頻尿
腰痛や肩こり
産後うつ
などが挙げられます。
これらのトラブルを予防し、心身ともに健康な状態を取り戻すためには、産褥期における適切な養生が非常に重要です。
産褥期の過ごし方:キーワードは「横になる」
産褥期における最も重要な過ごし方は、「横になること」です。
「赤ちゃんのお世話もあるし、家事もやらなきゃ…」そう思う方も多いでしょう。
しかし、この時期は家事や育児はできるだけ家族や周囲のサポートを受け、まずは自分の身体の回復を最優先に考えるべきです。
理想的な産褥期の過ごし方
産後6~8週間は、家事や育児以外の時間は横になって過ごす
最低でも3週間は、家事や授乳以外の赤ちゃんのお世話を家族や産後ドゥーラなどに任せる
睡眠時間をしっかりと確保する
バランスの良い食事を摂る
軽いストレッチや散歩など、無理のない範囲で身体を動かす
現実的に難しい場合の過ごし方
家事は最低限にとどめる
完璧主義を捨てる
宅配サービスや家事代行サービスなどを利用する
周囲にサポートを求める
「休むことに罪悪感を感じる」「家事を完璧にこなしたい」そんな気持ちになることもあるかもしれません。しかし、この時期は「甘えて良い時期」です。自分自身を大切にし、ゆっくりと身体を休ませることが、結果的にスムーズな育児や家族の幸せにつながります。
産褥期の過ごし方に関するよくある質問
Q. 産褥期にやってはいけないことはありますか?
A. 産褥期には、以下のことを避けるようにしましょう。
重いものを持つ
長時間の立ち仕事や座り仕事
激しい運動
冷え
ストレス
Q. 産褥期に積極的に摂りたい栄養素はありますか?
A. 産褥期には、以下の栄養素を積極的に摂るようにしましょう。
たんぱく質: 身体の組織の修復や母乳の分泌に必要
鉄分: 出産時の出血で失われた鉄分を補給
カルシウム: 骨や歯の形成に必要
ビタミン: 身体の機能を調整
Q. 産褥期に気分が落ち込むことがあります。
A. 産褥期には、ホルモンバランスの変化や環境の変化などにより、気分が落ち込んだり、イライラしたりすることがあります。これは「マタニティーブルーズ」と呼ばれ、多くの産後ママが経験するものです。
しかし、症状が長引いたり、日常生活に支障が出る場合は、「産後うつ」の可能性もあります。一人で抱え込まず、医師や助産師に相談しましょう。
産後は出産した人は誰でも人に頼っていい時期です
産褥期は、赤ちゃんとの新しい生活がはじめる時期であると同時に、身体と心が大きく変化する人生において自分をまた見つめなおす時期でもあります。
この時期をどう過ごすかで、今後の健康状態や育児への向き合い方が大きく変わってきます。
「横になる」ことは、一見 地味ですが、実はとても効果的な養生法です。
また、横になることは簡単そうに見えて、条件がそろわなければ達成できない養生方法であるともいえます。夫、自分家族、友達、産後ドゥーラなどに家事や育児を任せて、自分の体と心を第一に考えて休ませる時間を意識的にとることをおすすめします。
もし、それも叶いそうにない時はお話しだけでもフォームから送ってみてくださいね。
自分の気持ちを文章にして送ることでも少し心が変わります。
どうぞご遠慮なくご連絡ください!
あなたの身体は1人の人間を産み出すという偉大なことを成し遂げました!
身体を休ませることは決して「怠けること」ではありません
あなたが健康であることが家族の幸せにつながります
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